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(衆院選結果 識者に聞く)自民が地滑り的勝利、現役世代の動向が決め手/ネット選挙、対案示す“善政競争”を/選挙プランナー 松田馨氏

公明新聞2026年2月20日付 1面

 --衆院選の結果は自民党の圧勝となった。

 松田馨氏 誰も予想していないレベルの地滑り的な勝利だった。自民党の政党支持率は全世代1位で、昨年の参院選で取れていなかった40代、50代を中心とした現役世代にも支持が広がった。この世代は、高齢化が進む「団塊の世代」に代わり、選挙に与える影響が大きくなっている。

 彼らはテレビや新聞ではなくネットで情報収集している。2024年の都知事選以降の顕著な現象として、テレビの影響力が大きい「テレ・ポリティクス」から「ユーチューブ・ポリティクス」の時代になったと言える。ユーチューブ上で評価が高く、動画の再生数が多い党首がいる政党が躍進している。

 --SNS上で各党はどう見られたのか。

 松田 自民党に言及するユーチューブ動画は、前回の参院選では再生数の約8割がネガティブな内容だったが、今回は7割以上がポジティブなものに180度転換した。中道改革連合については、ポジティブな内容が初期の1割程度から、終盤に3割弱まで盛り返したものの、ネガティブなものが非常に多かった。

 野党が政権批判をするのは当然だが、有権者に納得感のある批判の“チューニング”(調整)ができなければ、マイナスイメージを増幅しかねない。中道改革連合として、どんな日本をめざすのかを最初から前向きに訴えていれば、結果は少し違ったかもしれない。どう受け取られるかを意識し、より良い政策を示す“善政競争”が求められる。

■「切り抜き動画」、影響力が大きい

 --SNSに長けている野党党首もいる。

 松田 国民民主党も参政党も、参院選の時ほど勢いはないと言われながらも、ネット上で一定の高い支持を維持している。いわゆる「ネット地盤」を築いてファン層を確保し、今回も着実に議席を獲得した。

 一方で、ネット上、特にユーチューブの人気者は速いスピードで変遷している。主義主張はなく、もうかるか、もうからないかという視点で「切り抜き動画」をつくる人が一定数おり、その影響は、どんどん大きくなっている。昨年の参院選でも政党や候補者ではない第三者が作成した動画の再生数が圧倒的に多かったが、今回も同様の傾向が見られた。

■収益目的の第三者による拡散、一定の規制が必要

 --選挙期間中、SNSに規制は必要か。

 松田 再生数・表示数を目的にした極端な見出しや誹謗中傷の内容も散見されることから、何らかの制限があっていい。選挙で稼ごうとする人たちのモチベーション(動機)をカットするために、プラットフォームからの収益化を選挙期間中のみ停止できないか、という意見もある。今後、議論が必要だろう。

 表現の自由を尊重しながら、偽・誤情報やAI(人工知能)が作成するディープフェイクなどにどう対応していくかというのは、民主主義国家がどこも直面している問題だ。法規制だけでなく、プラットフォーム側の対応や有権者のリテラシー向上も求められる。