「『これからも奨学金の上限金利は3%で維持する』と(首相が)言うことが、若い世代にとって希望になる」 「分かりました。利子負担の軽減に関する仕組みは維持します」 6月22日の参院予算委員会では、貸与奨学金の利率を巡って公明党の平木大作国会対策委員長が質問。高市早苗首相から前向きな答弁を引き出し、委員会室から拍手が起きる一幕がありました。 ◇ 平木氏が取り上げたのは、日本学生支援機構の第二種奨学金(有利子の貸与型)。学力や家計の基準が比較的緩やかで、2024年度は約62万人が利用しました。利率に関しては、貸与終了時に決定した利率が返還完了まで固定される方式と、おおむね5年ごとに見直す方式のいずれかを利用者が選択します。 奨学金は、国債の発行で調達した資金などを財源とする「財政投融資」が活用されています。奨学金の利率は、同機構が国から借り入れた財政融資資金を償還する際の利率に合わせて決まりますが、年3%という上限が設けられています。 数年前は固定、見直し両方式とも利率は0%近辺でしたが、金利の上昇に伴って今年5月には固定方式が2・922%、見直し方式が2・000%に。平木氏は、さらなる金利上昇によって利率の上限を引き上げざるを得ない事態となれば「奨学金の活用をちゅうちょすることが起こり得る」として、若者の不安払拭に向けた対応を求めました。 これを受け、首相は▽在学中は無利子とする▽金利が上昇する場合でも利率は原則3%を上限とする▽在学中や上限を超える利子分は国が負担する--といった仕組みを今後も維持すると明言しました。 同日、平木氏はユーチューブのライブ配信で、質問を通告した際に文部科学省側が消極的な反応だったとの内幕を紹介。それでも、上限の維持へ先手を打つ観点から質問したことを明かしました。 ■本来は無利子で行うべき/代理返還、給付型拡充も 平木氏は本紙の取材に対し「首相答弁は、奨学金の返還に当たって、市場金利が3%を超えた分については将来にわたり国が全額負担するとしたものであり、従来に比べてかなり踏み込んだ内容だ」と強調。一方、未来への投資である奨学金は本来、無利子で行うべきだとした上で「今後も、企業や自治体による代理返還や、返さなくてよい給付型奨学金の拡充に努め、返済負担の軽減に取り組む」と語っています。