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(読者の質問にお答えします)コメの価格なぜ下がらない?/党農水部会長代理(参院議員)高橋みつお氏
公明新聞2025年2月11日付 2面
コメ価格の高止まりが続いています。新米が出回る時期が過ぎても価格が下がらず、弁当などの値上げが相次ぎ、不安の声が広がっています。背景や見通しについて、高橋みつお党農林水産部会長代理(参院議員)に聞きました。
Q コメは不足しているのか。
◆そうではありません。新米が出回る時期を迎え、2024年の主食用米の生産量は、679万トンです。農林水産省が公表する今年6月までの1年間の需要量674万トンを上回り、民間在庫量も回復する見通しです。
■市場の流通不足などが要因
Q ではなぜ店頭価格の値上がりが続いているのか。
◆生産コストの上昇分を販売価格に転嫁する動きに加え、24年のコメ品不足に端を発した激しい集荷競争による流通不足が挙げられます。これによって、24年産米の同年12月末までのコメの相対取引価格は、60キログラム当たり約2万4000円で過去最高となっています。
■備蓄米活用で価格低下期待
Q 価格は下がらないのか。
◆コメの流通を増やして需給安定化を図るため、これまで食糧法に基づいて不作の事態しか活用できなかった政府備蓄米の運用が見直され、新たな仕組みが導入されます。国が同じ量を買い戻すことを条件に、JAなどの集荷業者に対して販売する新たな仕組みです。これによりコメの流通量が改善し、結果として価格も落ち着くことが期待されます。私は24年12月に、参院農林水産委員会でこうした政府備蓄米をいわば貸し出す新たな仕組みを提案していました。
市場価格が低下すれば消費者にとっては朗報ですが、同時に、資材高騰などにより経営に苦しむ農家への配慮も持続可能な営農のために不可欠です。したがって、今国会では生産者から消費者まで全体を捉えた適正な価格形成に関する法改正など丁寧に議論してまいります。