5月29日成立の健康保険法等改正法には、市販薬と成分が似た医療用医薬品(OTC類似薬)の給付を受ける患者に別途の負担(薬剤料の4分の1)を求める見直しが盛り込まれました。鼻炎や胃痛などで市販薬(OTC医薬品)を購入する患者との公平性確保が理由で、2027年3月にも始まり、医薬品の77成分・約1100品目が対象となる見通しです。 この仕組みを巡って公明党の秋野公造政務調査会長は、市販薬では対応できない患者に負担を強いる可能性があるとして政府を厳しく追及。参院厚生労働委員会での4度にわたる質疑を経て、患者に別途の負担を求めないケースを整理させました。 質疑で例示したのは、妊婦が胃腸薬などの有効成分「イトプリド」を服用する場合です。医療用医薬品では医師が効能とリスクを判断した上で処方が認められていますが、市販薬では妊婦は服用しないよう使用上の注意が記載されています。 秋野氏はこの問題を指摘し、医療用医薬品しか選択できない妊婦に対して、改正法の趣旨である「医療用医薬品と市販薬との公平性」があるのかと再三確認したものの、上野賢一郎厚労相ら政府側は明確に答えられず、保険外負担の対象となる医薬品を定めた上で配慮が必要な人を検討するとの答弁を繰り返しました。 これに対し秋野氏は、社会保障制度改革に関する昨年6月の自民、公明、日本維新の会の3党合意に言及。OTC類似薬の保険給付を見直す際は、患者の医療アクセスに対する配慮などを基本とする旨が盛り込まれ、その後に制度設計が進んだことから、医薬品よりも先に、別途の負担を求めない対象者を定めるべきだと主張しました。 議論の結果、4度目となる5月28日の質疑では「医療用医薬品のイトプリドしか選択できない妊婦には、(市販薬で対応している患者との間に)求められる公平性はない」と訴え、厚労省側から「別途の負担を求めない」という形で整理するとの答弁を引き出しました。 秋野氏は「今回は妊婦を例に挙げたが、他にも医療用医薬品しか選択できない事例はある。患者が適切に医療へアクセスできるよう今後も取り組む」と語っています。