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あなたに「指さる」!将棋に学ぶ人間関係の高め方

2022年8月25日

幅広い世代から親しまれ、愛され続けている日本の伝統文化「将棋」。9×9マスの中で繰り広げられる熱い対局からは、戦略を練る力だけでなく、人間関係や礼儀も学ぶこともできます。将棋好きな伊佐進一衆院議員に、将棋から学べるライフハック術を紹介してもらいました。

ポイント

    --今日は一局、お手合わせ、よろしくお願いします! 伊佐議員との対局が楽しみで、今朝は通勤の電車内でスマホで一局指してきました。ぜひ、将棋を始めたきっかけから考え方まで、いろいろな話を聞きたいと思っています!

    よろしくお願いします! すでに準備運動は済ませてきたんですね。こちらも燃えてきました(笑) ちなみに私が将棋を始めたきっかけは、父親でした。小学4年生になると、囲碁将棋部に入部するほど好きになっていましたね。対局を通して、クラスや学年を越えて多くの友人ができ、ますます将棋の魅力にハマっていきました。同じ土俵に立って勝負している間柄って、仲良くなりますよね。

    --超党派でつくる「将棋文化振興議員連盟」では、事務局次長を務められているそうですね。

    将棋は、集中力、洞察力、決断力などが養われるので、子どもたちにもっと興味を持ってもらいたいと思っています。あまり知られていないかもしれませんが、議連として政府に申し入れを行ったりと、将棋の普及活動にも取り組んでいるんですよ。個人としても国会質疑で、日本の伝統文化である将棋を義務教育にも取り入れてはどうかと提案したこともあります。

    良い人間関係を築く「攻めの姿勢」

    将棋を指す伊佐進一衆院議員
    将棋を指す伊佐進一衆院議員

    --将棋というと、ものすごく頭を使いますよね。相手がこうくるだろうと考えながら打ったり、戦略を練る力がつく頭脳スポーツだと思います。

    そうですね。戦略も大切ですが、どの棋士たちにも共通して感じるのが、その戦略を支える強い精神力だということです。

    そういう意味で、私は何よりも「勝負は勢いが大事」と、将棋から学びました。勢いがある方が、最後は勝つ。私の経験上、攻め始めたら一度でも引くと負けるんです。攻め始めたら、攻めて、攻めて、攻め続けないといけない。そうした攻めの姿勢は、勢いにつながります。

    将棋において「100対0」で勝つことはまずありません。「52対48」とか、僅差での決着が多い。一手差で勝敗を分けるような盤面で勝つためには、攻めの姿勢が何よりも大事です。

    --確かに「攻め」から「守り」の姿勢になった途端、相手の一手が強く「攻め」に転じてきた対局が何度もありました。

    こうした「攻めの姿勢」は、自らの積極的に相手にどうアプローチするかを考えることに尽きます。転じて、職場での人間関係といったビジネスシーンでも同じことが言えます。仕事において「待ち(守り)の姿勢」が必要な時も確かにありますが、迷った時こそ、自ら積極的なアプローチを起こす大切さを確認できますよね。

    人間力が〝深化〟する最高のコミュニケーションツール

    伊佐進一衆院議員
    伊佐進一衆院議員

    --将棋の良いところは、盤面を囲みながら知らない方とも皆でワイワイ話せるのも魅力でしたが、コロナ禍で、こうした場面を少なく感じます。

    確かに気をつけるシーンは増えましたよね。私は地元であいさつ回りをしている際、将棋をしている人を見かけたら、我慢できずに飛び入り参加することも(笑) 言葉を発せずとも、盤上でコミュニケーションが取れるのが醍醐味ですから、将棋は最高のコミュニケーションツールだと思っています。

    --伊佐議員ほどになると、一手から相手の意図を読み取れるのですか!?

    それが簡単にできたら、もっと勝てるかもしれませんね(笑) ただ「相手の一手を読む」ということは、相手がどう考えているかを可能な限り予測することです。一手先、二手先、さらにその先と、相手の一手一手と対話しながら駒を進めなければいけません。

    また、対局後には、対局を互いに振り返る「感想戦」もよくやりますよね。なぜ勝てたか、なぜ負けたのかを議論します。単に負けて悔しいではなく、なぜ負けたのかというプロセスを大事にするのも、魅力の一つです。

    伊佐進一衆院議員
    伊佐進一衆院議員

    --将棋をさらに楽しめる要素が増えますね!

    実は将棋って指すだけではなく、対局を観るのも楽しいんですよ。〝指す将〟や〝観る将〟など、自分なりに楽しめるスタイルで将棋に触れてみてください。

    【略歴】1974年生まれ。厚生労働副大臣。内閣府副大臣(新型コロナワクチン接種推進担当)。衆院当選4回。公明党青年委員会副委員長。東京大学工学部卒。

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