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関税
2025年3月4日
トランプ米大統領の高関税政策が世界に混乱を招いています。
関税とは、外国からの輸入品に対して国がかける税金のことです。関税額は輸入した物品の価格に、品目や原産地によって決められる関税率をかけて算出されます。輸入品の価格が上がって競争力が低下するため、関税には国内産業を守る機能がある一方で、輸入価格の上昇は消費者や企業にとってはコスト増にもなります。
関税は基本的に輸入する側が輸入国に対して支払います。かつて日本では、関税による国庫収入は国家の重要な財源として位置付けられていました。経済が発展し、国内への課税体制が整備されることに伴い、財源としての意義は縮小。日本の関税収入額は2025年度予算案ベースで0・9兆円で、国税収入に占める割合は1%程度になっています。
例えば日本は、米国に対してコメなど一部の農産品には「聖域」として高い税率をかけている一方、工業製品向けの関税は撤廃が進んでいます。全品目で見れば、日本は世界的にも低い関税水準と言われています。
関税を巡っては、第2次世界大戦後、各国は協力して互いに関税を引き下げる自由貿易を推進してきました。日本はカナダやメキシコなど12カ国で自由貿易圏を構成する「環太平洋連携協定(TPP)」などを結んでいます。
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