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緊急銃猟
2025年11月24日
農地や河川敷、建物内など人の日常生活圏にクマなどが出没した際、安全を十分確保した上で、市町村の判断で緊急的に銃器を使用して捕獲できるようにする制度です。今年9月に施行された改正鳥獣保護管理法により創設されました。
緊急銃猟の対象はヒグマ、ツキノワグマ、イノシシに限定。市町村は、捕獲に関する知識と経験があり、射撃練習を定期的に行っているハンターに捕獲を委託することができます。緊急銃猟の実施には①住宅など人の生活圏に侵入するか侵入の恐れが大きい②危害を防ぐ措置の緊急性がある③銃猟以外で速やかな捕獲が困難である④発砲で人に危害が及ばない--の全てを満たすことが条件となります。環境省は緊急銃猟の手順を示したガイドラインを公表し、各自治体に対して、マニュアルの作成や関係者による訓練の実施など日頃の準備を進めるように求めています。
緊急銃猟が創設された背景には、昨今クマによる人身被害が相次いでいることがあります。事態の深刻化を受け、政府は14日、「クマ被害対策パッケージ」を新たに決定しました。警察によるライフル銃を使用した駆除、自衛隊・警察OBへの協力要請といった緊急対応により、人の生活圏からのクマ排除を強化。ハンターへの手当や箱わななどの調達費を含め、自治体への支援を拡充する方針です。公明党はハンター不足への対策強化などを政府に要請していました。