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拘禁刑
2025年8月29日
「懲役刑」と「禁錮刑」を一本化した新たな刑罰制度です。2025年6月1日に施行されました。刑罰が見直されるのは、1907年の刑法制定から初めて。刑務所では再び罪を犯すことがないよう、立ち直りに重点を置いた更生指導へと大きな転換が期待されています。
「拘禁刑」の特徴は、受刑者ごとに刑務作業の有無を柔軟に選択し、高齢者や障がい者、依存症など各人の特性に応じた24の立ち直りプログラム(福祉的支援、依存症回復処遇、開放的処遇など)を設け、必要な作業や指導を行います。
従来の「懲役」は木工や洋裁などの刑務作業が科され、「禁錮」は作業義務(任意)がありませんでした。一方で、刑務作業は〝懲らしめ〟の意味合いが強く、立ち直りや社会復帰のための時間が確保しにくいとの指摘がありました。
法務省によると、23年に刑務所に入所した2人に1人(55%)が2回目以上の入所者。こうした状況は20年余り変わらず、生活に困窮した若者や高齢者などの窃盗や無銭飲食、依存症を背景とした薬物事件などが問題化していました。
こうした背景を踏まえ公明党は、受刑者の再犯防止と更生保護の観点から「拘禁刑」創設の必要性を主張し、矯正処遇や出所後も社会で孤立させない息の長い支援の実現を強く求めていました。引き続き、運営体制の強化や官民連携による就労支援など取り組みを進めます。
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