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長期金利の上昇
2025年8月2日
金融市場において、1年以上の期間でお金を貸し借りする際の金利を「長期金利」と呼びます。代表的な指数として、償還期日が10年の国債の利回りが使われます。
日本銀行が決める短期金利とは異なり、長期金利は財務省発行の国債を金融市場参加者がどのくらいの利回りで買いたいかに左右されます。日本国債の需要が高まれば金利は下がり、需要が低迷すれば金利が上がります。
最近、長期金利が上昇する場面が目立っています。7月後半には一時1.6%を超え、およそ17年ぶりの水準となりました。
原因はいくつかあります。まず日米関税交渉の合意を受け、日銀が追加の利上げに動くとの予想。また、7月の参院選で、消費税減税など財政支出拡大を掲げる野党が躍進したことで、将来の財政悪化への懸念が国債売り(金利上昇)につながりやすくなっている状況。こうした思惑が挙げられます。
2022年、イギリスのトラス首相(当時)が打ち出した大規模な減税政策が市場の懸念を招き、イギリス国債が売り込まれました。長期金利が急上昇し、金融市場の混乱をもたらしたことは「トラスショック」として知られています。
日本においても、財政と金融政策の両面で、丁寧な政策立案が求められています。
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