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PFAS

2025年2月14日

炭素とフッ素が結合した「有機フッ素化合物」の総称で、1万種類以上の物質があるといわれています。このうち、水や油をはじく性質を持つPFOAとPFOSは、フライパンや泡消火剤のほか、半導体や自動車の製造工程など幅広い用途で使用されてきました。

自然界の中で、ほぼ分解されずに残るため「永遠の化学物質」とも呼ばれる一方、発がん性などが指摘され健康影響の懸念から、現在は日本を含む多くの国で製造や輸入が禁止されています。

ただ、過去に廃棄・放出された物質は今も自然界に残ったまま。昨年、政府は水道水の全国調査を実施し、検査を実施した全国1745の水道事業のうち、332でPFASが検出されたことを公表したものの、国が定める暫定目標値を超えた事業はありませんでした。

一方、浄水場でPFASが検出された岡山県吉備中央町は今年1月28日、町民に実施した血液検査の結果を公表し、米国の血中濃度指標を超えた人が受検した人の87.4%に上ることが分かりました。日本は血中濃度に関する基準は定めていませんが、米学術会議は、PFASの代表物質7種類の合計値が1ミリリットル当たり20ナノグラムを超えると、健康へのリスクが高まるとしています。

こうした中、環境省は今月6日、PFASの濃度を水道法上の水質基準に引き上げる報告書案を中央環境審議会(環境相の諮問機関)の部会に示し、了承されました。定期的な検査を義務とし、安全対策につなげる方針です。

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