被災地のなりわい再建を強力に支援--。熊本地震を受け、被災地の基幹産業である農業の被害実態を探るため、公明党の谷合正明参院会長と高橋光男農林水産部会長(参院議員)は28日、熊本県の八代、宇城、氷川の2市1町に入り、農業関係者から課題を聴いた。前田憲秀県議、橋本隆一、西和明の両八代市議、河野正明・宇城市議が同行した。 まず一行は、宇城市でナシやイ草などの生産者と懇談。ナシを栽培する渡邊吉幸さん、澄枝さん夫妻は、収穫まで1カ月を迎えたナシの9割以上が落果し、処分せざるを得ない状況に。「半年以上前から入っていた予約は、全てキャンセルするしかない。しかし、肥料や農薬の支払い時期はこれからで、補助金や無利子の貸し付けによる支援がほしい」と訴えた。 さらに、ナシは落果したことで花芽が出てしまっており「再び実をつけて、出荷できるようになるには2~3年はかかる。それまでに必要な害虫対策にも費用がかさみ、来年以降の収入は検討がつかない」と述べ、「こんなことであれば、農業を続けることも考えてしまう」と肩を落とした。 イ草農家は、今年の収穫はできたものの、織機があった建物が全壊してしまい、織る作業ができないと窮状を吐露した。 続いて一行は、氷川町で農家と懇談した後、日本一のトマト収穫量を誇る八代市を調査。ビニールハウスでトマトを栽培する上羽清さんは「地震による直接的な被害は免れた」とするものの、干拓地が広がっている農地の液状化被害に懸念を示した。 約73ヘクタールの広大な土地でコメなどの集落営農をする同市の株式会社アグリ日奈久の下田賢二代表取締役は「一番の課題は水だ」と強調。地震の影響による用水路の破損で水量が平時より減少している中、下流に位置する同社の水田は「取れる水の量が限られ、川の水をポンプで引いて使うしかない。本来必要のない燃料費も、手間もかかっている」と苦労を語った。 ■情報が現場に届く対応も 一方、共通する課題として、農家の支援に関する情報が現場に直接届いていないことや、罹災証明書の発行の遅れにより営農再開に向けた支援を受けられる見込みが立っていない現状も聴いた。 高橋部会長は「目の前の収穫に限らず、次期作に向けた不安の声を聴き、復旧を急がねばならないと感じた。震災を機に離農が進むことがないよう、情報提供も含めた伴走支援と、追加の支援策を政府に求めていきたい」と話した。