■党の主張、随所に反映 最大震度7を観測し、38人が犠牲となった熊本地震。発災1カ月を経た今もなお、厳しい暑さの中で約1900人が避難所に身を寄せている。一日も早い復旧・復興に向けた公明党の取り組みや、政府が先月27日に取りまとめた被災者支援に関するパッケージについて、党「令和8年熊本地震災害対策本部」の秋野公造本部長(政務調査会長)に聞いた。 ■現地調査積み重ね、省庁に具体策提示 --これまでの党の取り組みは。 発災直後から、国会、地方議員が被災地に駆け付け、被害実態や課題、現場のニーズを調査してきた。何が不足し、どのような対応が必要なのか、刻々と変わる被災地の課題を丁寧にくみ取り、政府に具体策を提案。自ら被災しながらも住民のために必死に奔走する地方議員もおり、その「大衆とともに」の立党精神を体現する姿に呼応し、党を挙げて現場へ入り続けている。 初動対応では、支援物資の受け入れのほか、避難所の環境改善に全力を挙げた。断水によって避難所のトイレが使えない状況では、一般社団法人「特殊車両推進協議会」などに働き掛け、自治体と調整して下水道や浄化槽に接続することも含め、トイレカーの受け入れ体制を構築。罹災証明書の迅速な発行へ、初動から県行政書士会にサポートを働き掛けるなど、党のネットワークの力を発揮し、でき得る被災者支援に取り組んできた。 党対策本部としては、党県本部と連携し、県、市、町議会議員らと具体的な課題解決策を立案し、政府に対して計6度にわたる緊急要望を実施。対策本部会議では、復旧・復興に関わる全省庁にも参加してもらい、綿密に情報共有しながら議論を前に進めてきた。 --対策パッケージについては。 党の要望が数多く盛り込まれ、一定程度、評価している。特に、損壊した井戸復旧への支援が反映された意義は大きい。 熊本県八代市などでは生活用水として井戸水を利用している世帯が多い一方、個人が保有・管理する井戸は原則として公的な復旧支援の対象とならないというのが国の見解だった。 公明党は現地調査に基づき、8月上旬には課題を指摘。生活用水の生命線となる井戸の復旧支援が不可欠だという観点から、政府に対し、私有財産でも復旧を個人負担に委ねるべきではないと強く訴え、被災井戸の調査や、自治体の給水義務と復旧支援のあり方を整理するよう要請した。 その結果、政府は「井戸水対応チーム」を設置。パッケージで、井戸の原因調査・洗浄だけでなく、地下水をくみ上げるためのボーリングを含む補修工事への支援も盛り込んだことはありがたい。 ■住まい確保などにも総力/公明が被災者の支えに --なりわい再建に向けては。 中小・小規模事業者が廃業せず継続できる支援を訴えてきた。今回のパッケージでは、被災した中堅企業・中小事業者に対し、特例として「自治体連携型補助金」を通じ「なりわい再建支援補助金」並みの手厚い補助を盛り込んでいる。大事な一手であり、公明党の主張に呼応したものだ。 また、爆発事故が発生した嘉島町の商業施設「イオンモール熊本」をはじめ、休業を余儀なくされている企業の雇用を維持するための雇用調整助成金(雇調金)の特例措置も反映された。10年前の熊本地震で県が創設した「復興基金」の枠組みを参考に、財政措置の検討が盛り込まれたことも評価したい。 --今後の課題は。 被災者の多くが避難生活を強いられる中、生活再建へとフェーズが移行したとは言い難い。仮設住宅への入居など個々の事情に応じ、今まで以上に細やかな支援に徹することが不可欠だ。 避難生活が長期化する一方、学校に開設されていた避難所は新学期の開始に伴い閉鎖され、別の「拠点避難所」に移動した動きもある。避難所の環境改善を一層進めるとともに、被災した福祉施設の復旧支援も引き続き政府に働き掛ける。インフルエンザやコロナなどの感染症も懸念される。速やかに希望する方がワクチン接種を受けられる環境整備など感染症対策にも力を注ぐ。 生活、なりわい再建への道程で、公明党が被災者の心のよりどころとなって支え抜くことを誓い合って進んでいきたい。 ■公明の主張が反映された主な項目 ・井戸復旧に対する公的補助の実施 ・罹災証明書の早期交付に向けた人的支援 ・「なりわい再建支援補助金」並みの手厚い事業者支援 ・雇用調整助成金の特例措置の実施 ・観光需要の喚起へ「九州ふっこう応援割」導入 ・被災者の自立・生活再建を支援する災害ケースマネジメントの取り組み推進