東京都は熱中症対策を強化しようと、低所得世帯や生活保護世帯にエアコン購入費用などを助成する都内の自治体への補助事業を実施している。これまで高額で買うことができなかった住民から、感謝の声が寄せられている。都議会公明党(東村邦浩幹事長)が命を守るための暑さ対策として提案していた。 ■利用者 「夜も安心して寝られる」 「すごく涼しい。夜も安心して快適に寝られる」と話すのは、品川区在住の川村富子さん(75)。自宅にエアコンが元々設置されていたものの、故障していて効きが悪かった。特に昨年の夏は寝苦しい夜が続き、冷却枕や冷却シートを使って暑さをしのいだという。 エアコンの買い換えを検討するも高額で手が出せない状況だった中、区の助成制度を知って利用し、費用負担なくエアコンを購入することができた。川村さんは「厳しい暑さをどう乗り越えようか困っていた。とてもありがたい」とほほ笑んでいた。 ■低所得・生活保護世帯、10万円上限に補助 都の低所得世帯へのエアコン購入支援は、1世帯当たり1台限りで補助額が設置費など込みで上限10万円。費用の4分の3を都が補助し、残り4分の1を区市町村が負担する仕組み。住民は基本的に10万円までなら持ち出しなく購入が可能だ。自治体に対しては、申請書類の受け付け・審査や住民からの問い合わせに対応するコールセンターの設置など、必要な事務経費も支援する。 今年3月に都が区市町村へ補助事業を案内して以降、多くの自治体が購入費支援を実施。区市町村から申請や事業の実績報告を受けて、都は補助金を交付する。都の担当者によると、62ある都内自治体のうち、購入支援を実施する区市町村は50を超える見込み。 都生活福祉部の加藤夕起子・事業推進担当課長は、「暑さが厳しい夏に低所得世帯への支援が間に合うように各自治体が迅速に準備してくれた」と話す。 一方、生活保護世帯に対するエアコン購入支援は、10万円を上限に都が全額補助(このうち本体購入費の補助上限は7万8000円)。生活保護を受ける住民宅を訪問し、相談援助に携わる自治体の福祉職員(ケースワーカー)が申請の問い合わせに対応している。 ■都議会公明党が提案し実現 都議会公明党は、2025年9月の定例会代表質問で、「福祉施策として、低所得者に対するエアコン設置を支援するべきだ」と提案。同年12月に都知事に提出した26年度の都予算編成に関する要望書でも繰り返し訴えた結果、25年度最終補正予算に、補助を実施する区市町村への緊急支援事業が盛り込まれ実現した。