8月30日に執行された香川県知事選挙において、善通寺市は、タブレット端末を使って投票・集計する「電子投票」を導入した。公明党の真鍋範子市議はこのほど、都道府県知事選では2例目となる取り組みについて話を聞いた。 電子投票は、投票所にタブレット端末を配備し、有権者が端末画面に表示された候補者名を選んで投票する仕組み。2002年に岡山県新見市が全国に先駆けて市長選・市議選で実施し、開票作業に要する時間の大幅短縮に成功している。 市はこれまでも、開票に多くの人員を確保する必要があったほか、作業が深夜までかかることもあった。また、高齢化に伴って投票用紙にうまく文字を書けない高齢者が増えたのに伴い、候補者名を判読できず無効票になってしまうケースが散見されるようになった。 開票作業の効率化を模索していた頃、24年に執行された大阪府四條畷市長選と市議補選において、全国で26例目となる電子投票が実施された。この実施状況を見届け市は、導入へと動き出した。 昨年12月から今年1月にかけて、市のイベントや市役所1階ロビーなどで端末を使った模擬投票を行ったところ、アンケートに答えた90%以上の参加者が導入に賛成。今年6月から8月にかけても各公民館やスーパーで体験会を開いた結果、アンケートに回答した9割が高齢層だったにもかかわらず、「(操作が)分かりやすい」「すぐに終わる」などの肯定的な意見が90%を超えた。 電子投票は、自治体が電磁的記録式投票機(電子投票機)を用いることを可能にする条例を制定することで実施できる。市議会は、今年3月定例会で条例を制定。県議会でも6月定例会で、全国で唯一となる条例案が可決され、実現に道筋が付いた。 ■「簡単に投票できた」と好評 投票日当日は、市内20カ所の投票所に専用の端末を設置し、投票終了後はデータをUSBに保存して開票所へと運び、パソコンで読み取って集計。開票は27分で終了し、前回より1時間以上短縮された。携わった職員数も前回より50人少ない20人だった。機材のトラブルや停電に備え、予備の端末やポータブル電源を用意したほか、USBのデータをバックアップ用のSDカードにも保存するなど万全を期した。電子投票は、期日前投票でも実施された。 真鍋市議は、期日前投票で端末を操作した女性(88)と懇談。女性は、「パソコンやスマートフォンの操作が苦手なので不安だったが、簡単に投票できた」と感想を述べていた。 市総務課の佐藤幸治課長は「簡単に投票できるようになったことをきっかけに、選挙をより身近に感じてもらい、投票率向上につながれば」と語っていた。