最大震度7を観測した「令和8年熊本地震」の発災から2カ月を迎えた28日、被災家屋を所有者に代わって自治体が解体・撤去する「公費解体」が同県甲佐町で始まった。二次被害の恐れがある家屋を取り壊す緊急公費解体は始まっているが、所有者の申請に基づき自治体が実施する公費解体は県内で初めて。公明党は公費解体の迅速化を政府に強く訴えてきた。 個人財産を行政が処分する公費解体は、所有者が罹災証明書などを提出して申請し、自治体が行う。被災者が新たな住まいを確保し、生活再建を進めていく上で重要な支援策の一つだ。 住民は安堵しつつ、「さみしさもある」と解体作業を見守った。同町府領で園田恵二さん(67)が27歳の時に建てた自宅は、柱が傾くなどし、全壊と判定された。台風により倒壊し、近隣宅に被害が出ることを危惧していたといい、「公費解体が2カ月でできて安心した」と話した。一方、クリスマスには妻と一緒にイルミネーションで自宅を飾るなど思い出が詰まっていたと振り返った。現在は妻と一緒に長女宅に身を寄せているが、自宅を再建する予定だという。 ■解体数最大1.3万棟、27年末まで完了へ 28日の熊本県の復旧・復興本部会議の発表では、住宅被害は7万1518棟で、内訳は全壊2291棟、大規模半壊801棟、半壊6448棟、一部破損5万1315棟など。罹災証明書の交付に必要な住家被害認定調査の申請は、23日までに7万7900世帯から出されている。このうち証明書の交付は6万3955件に上り、交付率は8割を超えた。 県などによると、公費解体の申請は、県内10市町の計782棟に上る。県は被災した建物の解体数が6000~1万3000棟、災害廃棄物が60万~100万トンと推計し、2027年12月までの完了を見込む。 これまで公明党は、政府に対する緊急要望などを通じ、罹災証明書の早期発行に向けた人的支援とともに、ニーズに応じた仮設住宅の早期供与や住宅の応急修理への支援、家屋の公費解体の迅速化などを強く要望してきた。今後も、公費解体の加速化を後押ししていく方針だ。