来月は、まだ食べられるのに廃棄される食品ロス削減へ、国民の理解と関心を深める「削減月間」です。国内の発生量は着実に減る一方、使い切れず未利用のまま捨てられる食品も。こうした余剰食品を企業や一般家庭から集め、食料支援が必要な世帯に無償で届ける「フードバンク」などが改めて注目されています。“もったいない”を地域の支えに変える現場を訪ねました。 ■寄付が紡ぐ支援の輪 山梨県南アルプス市を拠点に県内で活動する認定NPO法人「フードバンク山梨」。今月中旬、同法人のセンター内では、ボランティアとして集った男女18人が、企業や個人からの寄付で集まった食品を段ボールから取り出し、仕分ける作業に汗を流していました。 スープ・みそ汁、缶詰・調味料、レトルト、菓子……。多様な食品をグループごとに分類し、賞味期限を確認しながら、「10月」「11~12月」「来年以降」に分け、手際良く専用コンテナに収めていきます。1時間ほどで終えた後、高校生がいる支援対象家庭へ食品を届けるための段ボールの組み立て作業などに当たりました。 この日、甲府市から参加した北村享さん(71)は「賞味期限を間違わないよう、特に気を付けています」と真剣な面持ちで話していました。 また、別のスペースでは、男性スタッフ3人が、食料支援として政府から提供された備蓄米を5キロずつ計量し、袋へ順番に詰める作業を進めていました。 フードバンク山梨は2008年にボランティア団体として設立。以来、県内の自治体と連携しながら、食料支援を福祉施設や必要な世帯へ届けてきました。昨年度の食品取扱量は354トン、支援数は延べ1万5020世帯に上ります。 7月下旬には、消費者庁が創設した「フードバンク認証制度」に基づき、他の3団体と共に初の認証を受けました。この制度は食品・衛生管理などを適切に順守する団体を国が認証して信頼性を高め、転売など企業側の懸念を払拭して一層の支援を促すのが狙いです。 一方、物価高の影響で支援を必要とする世帯が急増する中、食品の寄付が減る傾向がみられ、課題となっています。同法人の齊藤加代子副理事長は「真心の応援なくして成り立たない活動です。ボランティア参加という時間でも食品や資金でも、寄付のご協力をいただけたら」と切実な思いを語っていました。 ■食品ロス3年連続で減少 政府は当初、食品ロスを事業系、家庭系共に2030年度までに00年度比で半減させる目標(事業系273万トン、家庭系216万トン)を設定し、削減を推進してきました。 19年の食品ロス削減推進法の施行後、削減は一段と加速。22年度に事業系が236万トンに減り、目標を8年前倒しで達成しました。これを受け、政府は事業系の削減目標を半減から60%に引き上げました。最新の24年度は全体で推計461万トンと、3年連続で減少しています。 一方、この量は国連世界食糧計画(WFP)による23年の食料支援量(約370万トン)を上回っているのが実態です。廃棄に伴う二酸化炭素排出の削減など環境面からも、さらなる食品ロスの削減が求められています。 ■公明が推進法リード 食品ロス削減に向け、公明党は2015年に党内に削減推進プロジェクトチーム(PT)を設置し、取り組みの強化を政府に提言するなど、一貫して推進してきました。 国民運動として取り組むための19年の食品ロス削減推進法(議員立法)の制定を主導したほか、フードバンク活動の支援強化や、寄付促進のための認証制度の導入も推進。各自治体では食品の寄付を募るフードドライブの普及や削減行動の啓発も後押ししています。 ■街頭の声聴く運動も 削減機運の醸成へ、公明党は地方発の運動も展開しています。例えば、党大阪府本部では青年局中心に、5、6月に街頭アンケートを実施。7月には1000人超の若者が参加するフォーラムも開催しました。 同PTの司隆史座長(参院議員)は「食品ロス削減は福祉支援や環境保全にも通じる重要課題です。地方議員と連携し着実な削減へ全力を尽くします」と語っています。