■車いす利用者の不便解消 セルフ式のガソリンスタンドで給油するのが難しい車いす利用者らを支えるため、群馬県はこのほど、「給油サポートマグネットシート」を作成し、ガソリンスタンド事業者に無償で配布している。シートを給油場所に掲示し、そこに記入された番号に電話すると店の係員が呼び出され、降車せず給油サポートが受けられる。車いす利用者の声から、公明党群馬県本部の水野俊雄代表(県議)が強力に推進してきた。 ■県内110カ所、セルフ式スタンドに配布 「車から降りなくて済むので、かなり楽になった」と語るのは、群馬県玉村町に住み、車いすを利用している細野直久さん(59)。このほど「給油サポートマグネットシート」が張られたセルフ式ガソリンスタンドで、給油サポートを受けられた喜びを語った。 細野さんは10代で事故に遭い、脊髄を損傷。手は動かせるが、脇より下の胴体や下半身は麻痺しており、事故以来、車いす生活を続けている。現在、仕事をしながら「群馬県せきずい損傷者協会」の会長を務め、群馬県内をはじめ、全国各地を車で移動している。 車いす生活の不便さは多々あるが、ガソリンスタンドでの給油もその一つ。近年、セルフ式のスタンドが増え、車いす利用者が自力で給油するには多大な負担が伴う。 不便さは、こんな具合。車を乗降する際にドアを大きく開く必要があり、そのための十分なスペースが確保できなかったり、車から降りられたとしても、車いすに乗ったままでは給油機のパネルに手が届かなかったりと課題は多い。「クラクションやハザードで係員さんに支援をお願いしても、断られることがあった」と語る細野さん。「自力で給油するにも、混んでいるスタンドでは車同士の距離が近く、ドアを開けるだけのスペースが確保しづらい」と窮状を打ち明ける。 ■当事者の声から公明が実現 細野さんをはじめとする車いす利用者の声を、公明党の水野県議は行政に届け続けてきた。議会質問で「セルフ式ガソリンスタンドで給油しようとする車いす利用者や、障がい当事者には、厳しい現実がある」などと繰り返し取り上げ、合理的配慮を促す対応を主張。県知事への予算要望にも盛り込み、粘り強く要請してきた。 これを受け今回、車いす利用者をはじめ、自力での給油が難しい人がサポートを受けられるよう、マグネットシートが作成された。シートに記入された番号に電話すれば、係員による支援が受けられる。「群馬県石油商業組合」や「JA全農ぐんま」の加盟・直営のガソリンスタンド計110カ所に配布され、マグネットシートはスタンドの固定給油設備に張られている。 細野さんは「車を使う多くの障がい者にとって便利になるし、行動範囲が広がる。進めてくれた水野さんに感謝です。この取り組みが全国に広がってほしい」と語り、水野県議は「公明党のネットワークで広げていきたい」と応じた。