パートなどの短時間労働者に社会保険(厚生年金・健康保険)が適用される要件のうち、「年収106万円(月額8万8000円)以上」との賃金要件が10月から撤廃された。全都道府県の最低賃金が時給1016円以上となり、労働時間要件(週所定労働時間20時間以上)を満たせば自然と賃金要件の額を超えることを踏まえた対応。社会保険加入により、将来の年金額が増えるほか、病気や出産時の給付といった保障が手厚くなる。公明党が推進した。 賃金要件撤廃は、昨年成立した年金制度改革法に盛り込まれていた。保険料の発生で手取りが減る年収「106万円の壁」は、これまで働き控えの要因ともされてきた。 このほか、現在は「従業員51人以上」との企業規模要件もあるが、2027年10月から段階的に縮小し、35年には完全に撤廃される。 ■保険料負担への支援もスタート 一方、今月からは、比較的小規模な事業所で働く短時間労働者の保険料負担を軽減するための制度も始まる。利用できるのは、従業員50人以下の事業所が任意で短時間労働者を社会保険の加入対象としたり、今後、企業規模要件緩和の対象となったりした場合など。保険料は原則として労働者と事業主で折半するが、この仕組みでは事業主が負担割合を増やした場合、追加負担分については国などが全額還付する。 3年間の措置(3年目は支援を縮小)で、保険料負担が軽減されても将来の年金額は減らない。 公明党は24年12月に厚生労働相への提言で、労働者がふさわしい社会保障を享受できる環境を整えるために労使双方への十分な支援策を強く求めるなど、社会保険の加入促進に取り組んできた。